ここでは、PC-LCM(ライフサイクルマネジメント)の基本的な意味や、各ライフサイクルの流れやPC-LCMが求められる背景について、詳しく解説していきます。
LCMは、Life Cycle Management(ライフサイクルマネジメント)の頭文字。PC-LCMは、パソコンやタブレット端末などのIT機器導入にあたり、業務に適切な機器の選定から運用、廃棄に至るまでの管理を行うサービスを指します。
今や企業にとって重要な経営資産ともいえるPCですが、リモートワークなどによって管理対象になるPCも増え、管理者側の業務も複雑化しています。そのため、導入から廃棄に至るまでのライフサイクルを最適化する作業は、なかなかうまく回らないというのも、多くの企業が直面している課題のようです。
PC-LCMサービスは主に下記の3つの段階に分けられます。
調達の過程では、業務で使用するハードウェアの選定や購入を行います。選定の基準は「ニーズや利用目的に合っているか」ということを重点に、スペック、初期費用、ランニングコストなど。更新や入れ替えを含めて、廃棄までのライフサイクルまで幅広く検討する必要があるため、管理者にはハードウェアに対する専門的知識だけでなく、業務内容の知識も求められます。また、業務内容を正しく理解することは、ユーザーが求めるPCの選定や運用において乖離を少なくすることにもつながります。
PCの運用開始後に発生する、さまざまな管理業務を行います。たとえば、アプリケーションの更新やウィルス対策、障害対応など。さらに、障害発生時の予備機の発送やPCの再設定、動作確認などを行い、すぐに業務に利用できる状態に復旧させます。
また「使い方がわからない」といった社員からの問い合わせ対応なども含まれることがあるようです。
使用済みのPCを回収し、アプリケーションの消去、磁気破壊、物理破壊といった方法で、データを確実に消去後、廃棄を行います。廃棄したPCから情報が漏洩した事例もありますので、情報漏洩を防ぐため、こうした方法を組み合わせて、確実にデータを破壊する必要です。
また、業務で使用されてきた法人用のPCは、一般家庭のPCと処分の方法が違います。廃棄する場合は、廃棄物処理法より産業廃棄物業者に処理の責任が課せられており、家庭系廃棄物とは異なった方法で廃棄しなければならないため、業者に処分を依頼することはとても重要です。
働き方の多様化、スマートデバイスの浸透などからIT部門の管理業務が増える昨今。PC調達から機器設定、運用・管理、問い合わせ対応まで一連のライフサイクルをサポートするPC-LCM(ライフサイクルマネジメント)サービスの利用で、安定したIT環境を作りましょう。
当サイトでは、基礎知識から導入時の課題別におすすめのPC-LCMサービス(会社)をまとめているので、ぜひお役立てください。
企業が保有するIT資産は、かつて財務計上するための在庫把握だけが目的でした。しかし、スマートフォンやタブレットなどの普及による機器の増加やテレワークなどで働き方も変わり、セキュリティの強化やコンプライアンスの徹底という課題も避けて通れない状況になりました。
そのため、周辺機器やOS、アプリケーションなどのソフトウェアも含めて、既に自社で管理するということが不可能になりつつあり、効率化が急務となっています。
PC-LCMサービスの導入によって得られるセキュリティ強化は、外部からのサイバー攻撃に対する抑止になります。監視や不正操作の検出、不正な接続の遮断などの、サイバー攻撃への抑止力となる技術は、外部からのサイバー攻撃だけでなくセキュリティインシデントを防ぐことにもつながります。
もちろん、私的利用や内部不正を行う人もいるかもしれませんが、万が一そのような事が起こっても、特定し責任を追求することができます。
今後は、PCだけでなく、スマートデバイス関連のLCMサービスに関して、さらなる需要の高まりが予想されています。既に欠かすことのできないビジネスツールとして浸透したスマートフォンやタブレットはもちろん、キャッシュレス化に伴うモバイル決済端末や関連機器など、新たな分野での需要も増えていくのではないでしょうか。
不動産業、サービス業、食品メーカーなど
金融、保険業、医療機関など
ゲーム制作、アプリ開発、WEB制作などのIT業界
選定条件
2023年2月3日時点、Googleにて「PC-LCM」と検索して表示されるサービスを提供する企業で公式ホームページに導入事例を掲載している28社のうち、PCには機密情報が含まれていることが多いため、運用時のセキュリティ対策だけではなく、「返却、破棄の時のデータ消去方法」についてを明記する6つのサービスのなかから特徴的な3社についてご紹介。